【19:傷】
細く幼い身体には
数え切れない程の傷が刻まれていることを
一体何人の人間が気付いているのだろう
いつでも君は笑っているから
拗ねた顔も怒った顔も見せる君だけれど
思い出す君の表情はいつも笑っているから
だから安心してしまう
この現状に
君のその強さに
だから不安だった
他人から見えない場所で
一体何度涙し
一体何度血を流したのだろうかと
一体何度、心に深い傷を負ったのだろうかと・・・・・
他人の傷にはとても敏感な君は
自分の傷に対して酷く鈍い
ねぇ気付いている?
君を大事に思っている人がいることを
君の無事や幸せを願っている人がいることを
これからも君は他人の為にまた沢山の傷を作る
だから・・・・せめて
君が傷を負った分だけ、君を守ると誓おう
君が血を流した分だけ、君の傍にいると誓おう
せめてもの、安らぎになるように
君が苦しんだ全ての傷を癒せるように
癒えない過去の傷を、その笑顔で癒してくれた君へ
ありったけの愛情と感謝を込めて
君の笑顔を守ると、誓う