A*H

一度はやってみたいシリーズ

ユエ語り 2004/01/18 up

【19:傷】





細く幼い身体には
数え切れない程の傷が刻まれていることを
一体何人の人間が気付いているのだろう


いつでも君は笑っているから


拗ねた顔も怒った顔も見せる君だけれど
思い出す君の表情はいつも笑っているから


だから安心してしまう
この現状に
君のその強さに

だから不安だった
他人から見えない場所で
一体何度涙し
一体何度血を流したのだろうかと

一体何度、心に深い傷を負ったのだろうかと・・・・・




他人の傷にはとても敏感な君は
自分の傷に対して酷く鈍い

ねぇ気付いている?

君を大事に思っている人がいることを
君の無事や幸せを願っている人がいることを


これからも君は他人の為にまた沢山の傷を作る
だから・・・・せめて

君が傷を負った分だけ、君を守ると誓おう
君が血を流した分だけ、君の傍にいると誓おう

せめてもの、安らぎになるように
君が苦しんだ全ての傷を癒せるように

癒えない過去の傷を、その笑顔で癒してくれた君へ
ありったけの愛情と感謝を込めて





君の笑顔を守ると、誓う










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