10:時間
バナーとトランを結ぶ森の中で左目を怪我しちゃったオレは、相変わらず包帯ぐるぐる巻きの刑。
「あいたた!ナナミ、キツ過ぎだってば!それに、右目は良いんだって巻かなくても!」
「でもどうせ見えてないでしょ?不都合あるの?」
「やっぱりさー」
この軍の中で一番目立つ人間で居なきゃいけないオレとしては、片目が見えてないなんて出来ればあんまり知られたくなかった訳で。
今回のこの一件で、ビクトールとフリックとシュウとホウアン先生にはバレた。
あの4人には口止めしておいたし、べらべら喋る人たちじゃないから一先ず安心なんだけど。
当のオレが両目共に包帯巻いてふらふらしてたら、意味ないし。
「・・・それなら、仕方ないけど・・・。実際見えてないんだから、どうしてもフラフラになるよ?」
「それ!それなんだけど、いい方法があるんだよ」
「???」
けれどそれは秘密だ。まだ特訓中だからね。
ナナミの部屋から感覚だけを頼りに、自分の部屋へと戻る。
階段とかは遅いけど一段ずつ。躓いて脛を強打した時は本気で泣いたけど、最近は少し慣れた。
自室に辿り着いて気配を探せば、戻ってきたオレに反応して微かに気配が動いた。
「・・・よかった。レイ、ただいま」
「・・・」
目の見えてないオレの警護だか護衛だかを買ってくれたレイには感謝なんだけど、それ以上に一緒に居られる時間が増えたのが嬉しい。
なんたって、食事も風呂も同じ時間!更には寝泊りまで同じ部屋!!あぁくそこの目が見えてれば・・・!!!
「カナタ」
「ぅえハイええと何?!」
「・・・何慌ててるの」
「ううん何でもない!何でも!!」
レイの寝姿とか想像してましたーvなんてバレたら帰られる!!
必死で繕って、声のする方へと顔を向けた。
「その目、治るの・・・?」
「うん。ホウアン先生に見てもらったら、もう数日で包帯外してイイって。何かベタベタする目薬点されたよ」
「・・・・・」
「・・・だ、だから、もうちょっとここに・・・って、ダメ?」
本当は、ホウアン先生に見てもらったのなんて帰ってきたその日だけで、あとは全部ナナミ医療室だ。今の所患者はオレ一人。
早く治って欲しいけど、治って欲しくない。
これくらいの怪我だったら、ホウアン先生に見てもらわなくとも時間が経つだけで自然に治ってしまうだろう。・・・治ったら、レイはきっと帰ってしまうから。
でも実際バレてるんだと思う。
まず包帯の巻き方がめちゃくちゃなんだもんなー。見てないからどんな風になってるかはわかんないけど、触った感じではあっちこっちが緩かったりきつかったり・・・。
「・・・来て」
小さく溜息を零したレイは、オレの手を引いて椅子に座らせた。頭を締め付けていた布が少し緩んで、ちょっと楽になる。
「締め過ぎだ。・・・これじゃ、治るものも治らない」
確かに、締められていた所為で血が溜まっていたらしい。スーっと、頭から血が引いていくのが分かる。
「無茶をして怪我をしたままで・・・。体調管理も上手く出来ないで、軍主が勤まるとでも?」
「・・・うーん、そうなんだけど」
最近レイはシュウ二号と呼びたくなるほどお小言が多い。・・・気がするけど、シュウより素直に聞いてしまうオレもオレで。
「ごめん、気を付ける」
「・・・こんなことしなくても、カナタが呼べば、僕は来るから」
「・・・え?!」
「動くな。巻き直せない」
思わず顔を上げたオレの頭をまた下に向けて、レイは一旦解いた包帯をきちんと巻き直していく。
たまに髪を梳いて行く指と、耳に触れる手の平が気持ち良くて。
「・・・重い」
オレってば、逆らえない眠気と心地良さに攫われるように、目の前のレイの胸へ頭を押し付けていた。
「・・・ごめ・・・でも、眠・・・」
だってイイ匂いするんだよレイって。洗濯してるのグレミオさんかなぁやっぱり。
「起きて。カナタ」
「・・・んー・・・?」
もう返事も夢の中。オレって、いつからこんなに寝汚くなったっけ・・・?
***
「そうねー?カナタって、結構猫みたいな寝方する子だったけど、最近はぐっすり寝てるコト、多いよね」
「猫?」
「何処でも寝るけど、小さな音とかにすぐ反応して飛び起きる、みたいな」
「あぁそう・・・だったかも」
という訳で、気になったから聞いてみた。
聞く相手は勿論、姉のナナミ。
そしてココは城下町の片隅。アイリ達雑技団がいつも住民を笑わせている場所だ。
今もその真っ最中。ボルガンが火を噴いて、やんやの喝采。次は、アイリの的当てか?
「じゃあ、そうだね。誰かに手伝ってもらおうか・・・あ!カナタ!」
「・・・はーい」
予想は大当たり。名前を呼ばれて、沢山の気配がオレを見つめた。
当てずっぽうに笑顔を返しつつ、オレは真っ直ぐにアイリに近づく。
今日は包帯はしていない。城下に降りる時は、出来るだけ。
「目、どうかしたのか?」
「いいや、何でもないよ」
左手の甲で左目を押えたままだったから聞かれたんだけど、何でもないように笑ってみせる。
盾代わりの手を退けたことで差し込んできた太陽光に瞳を刺されて、少し痛かったけどじっとガマン。
「じゃあ、前と同じ要領でいいから。・・・動くんじゃないよ?」
樹まで誘導されて、背中を預ける。頭の上に林檎を置くアイリの手が、少し震えていて。
「アイリ、おまじないしてあげようか?」
「・・・ん?なんだい、あたしの腕、信用ないかい?」
「・・・・いいや?じゃあ、気のせいかな。・・・大丈夫。アイリの腕はよく知ってるから・・・任せた」
「!」
そのままオレは目を瞑る。当てられたってそれはそれでご愛嬌。ちょっと痛いと思うけど。・・・いや、かなり痛いと思うけど。
ひゅ・・・トス!
一刀目、セーフ。いつもアイリは三刀投げる。後二刀だ。
しゅ・・・・・ザク・・!
・・・何か今耳の横で聞こえた気がしたけど。体を無理矢理木に固定する。
三刀目・・・嫌な予感を感じて、ガマンできずに見開いたオレの目の前に!
「ぅわ・・ッ?!」
「カナタ!」
声を上げたのは、足元を何かに掬われたから。
思いっきりバランスを崩したオレの体は、尻から真っ直ぐ地面に落ちる。
「・・・っててて・・・」
「大丈夫かいカナタ!でも、良かったよ〜・・!!」
座り込んだままのオレに、アイリが泣きながら抱きついてくる。こらこらお客さんも居る前で泣いちゃダメだろ。
その衝撃で、頭の上からコロンと林檎が転がり落ちた。
顔直撃だった筈なのに、良いタイミングで転んだお陰で、ナイフは見事に林檎に刺さっていた。
「あぁうん、大丈夫。ほら、林檎に刺さってるし。オレに怪我もないし、ね?」
掲げた林檎に、お客さんは大喜びだ。どうやら耳元を掠めたのは本当に気のせいで、同じ場所に3本、綺麗に刺さっているんだからそりゃ驚くよな。
「でも、もしカナタに怪我でもさせたら、あたし・・・」
「だから、怪我もなかったんだから平気だってば。・・・ほら、お客さん、待ってるよ」
行ってあげな、と目元に浮かんだ涙を指で拭う。
アイリは頷いて、心配そうに眺めていたリィナとボルガンの元へと笑顔で戻った・・・と思う。
さすがに使いすぎたのか、少し涙が浮かぶ目を凝らして、バランスを崩してくれた相手を探した。
地面を探った手に当ったのは、棍。
「・・・レイ?・・った・・!」
傷付いた目に風と太陽光は毒だ。っつーかかなり痛い。
「カナ?カナ!・・・ほら、ホウアン先生の所、行こう!」
「あ、っと待ってナナミうわぁ!」
右手に棍を持ったままのオレを担ぐ勢いで、ナナミは思いっきり走ってくれた。
ちらりと、木陰にレイの姿が見えたような気がしたんだけど。
確かめる前に、オレの方がその場を離れちゃったから、確かめられないまま。
***
「・・・っふ、は・・っ!」
月明かりの中で、汗を流すのは気持ち良い。
自然と荒くなる息も、早くなる呼吸も、ほらなんか生きてるって感じがするからだと思う。
下へ降りると兵隊サン方が通せんぼするから、仕方なく上へ上ってみたりする。いやいやご苦労様。
でも、上への道はフェザーが居るから一安心ってことで、今日は見張りが居なかった。
ついでに、レイも戻ってこない。棍がオレの手元にあるから、まさか置いて帰ったりはしないだろうと安心してるんだけど。
「・・・ふー・・。でも、コレじゃ練習にならないなぁ」
体術用の型をなぞるだけなら、見えてる時とさほど変わらない。どうせ目を瞑ったって出来ることだし。
的に当てるとか、的を感じるとか、そういう相手の動きが無いと、この練習の意味がない気がする。
ナナミに自信満々に言ってみせたのは、この鍛錬の結果だったりする。んだけどまだ身に付けられない。
人にもモノにも、気配ってものは多少なりとある。それを『心の目』ってヤツで捉える。
ちょっとっていうかかなり訳がわからない。
んだけど、何度も落ちかけているうちに、階段とか、ちょっとの出っ張りとかはわかるようになってきた。
今日のアイリの短剣だって、飛んでくる気配と距離は粗方正確に捉える事が出来た訳だし。
「後は人相手なんだけど・・・。人はなぁ」
と、壁に立てかけていたはずの棍がない。あれ?と首を傾げたそのまま、どうしてかオレの体は横に転がった。
無意識の反射で床に手をついたまま、何で自分が倒れ込んだのか疑問を浮べる前に、空気を切り裂くような鋭い音が響いた。
ひゅっ・・・ドガ・・ッ!
「?!」
続けて壁に何かがぶち当たる。っていうか破壊活動してるのはオレじゃないからね!!
そのまま、その『何か』はオレを追いかけてくる。間一髪で避けてるオレの髪を微かに切り取りながら、反撃すら出来ないままに追い詰められた。
「・・・負けて、られるか!」
階段口まで追い詰められて、落ちかけそうに見せかけるだけ見せかけて、そのまま上へジャンプ。
目標を掠ったそれはまた追いかけるように空へと付いてくる。
顔目掛けて飛んでくるものは、掴めた!っていうかコレ、レイの棍?
「!」
まさか掴まれるとは思ってなかったみたいで。振り回していた当人は、オレの重みもそのまま受けて、地面へと落ちていく。
「・・っ!」
そのまま下敷きにするわけにもいかないので、オレは地面擦れ擦れに軽く体重を横に向けた、そのまま、地面をざーっとすベる。
転落防止の柵にぶつかって、漸く止まった。
「・・・ねぇ、オレ、強くなったかな?」
「・・・弱点を克服したつもりか?・・・まだまだ、甘い」
呆れるような声だったけど、やっぱりそれはレイの声で。
倒れ込んだままの俺の身体を起こすように、手を差し伸べて助けてくれる。
「・・・・・・」
「・・・カナタ?」
伸ばされた手を取らない俺を催促するようにレイが声を上げた。
レイって気配ってものが全く感じられないような動きをするんだけど、今まで石とか壁とかを相手にしてたオレにはレイの気配がはっきりと読み取れた。
顔の近くにあるレイの手を取って、握る。
目標も何も無いのに、的確に握り返してきたことに、レイの方が驚いていた。
「見える・・・見えてるよ!レイ、そこにいるんだよな!フェザー・・・は、驚いちゃったか」
「・・・僕に気付いて森へ飛んで行った」
「あー気を利かせてくれたのかな?・・・ごめん冗談。でも、本当に見えてるんだ。いーや、これは感じてるに近いか」
モノとは違う、人の気配。レイの気配はなんか黒くて重くて・・・でもびっくりするほど透明で穏やかだ。
「何、これ・・・。紋章?」
「・・・!」
オレの言葉に思い出したようにレイの手が逃げを打つ。それでも逃がさないようにしっかりと握り返して、そっとその右手を額に当てた。
「いや、じゃないよ。・・・そうじゃない。レイってさ」
レイの持つ紋章の力の影響も強いのだろうけれど、その紋章と同じような暗い闇の中というよりは・・・。
「深い水の中・・みたいだな。なんにもないくせに、何処までも深くて、穏やかで、静かな」
「・・・・・・水・・?」
「そうそう水。・・・やー気持ちいいな、なんか。これ癖になりそー・・・っと?」
突然、強い力で逃げられる。さっきとは比べ物にならないほど本気の力で逃げられて、オレは真っ直ぐにレイの方を見上げた。
どうせなにも見えないんだけど。気配が酷く揺らめいた。・・・なんかマズイ事を言ったんだろうかオレ。
「・・・何で、そんな・・・・じ・・事」
「・・・・・・『同じ事』?」
そういえば。
時が経つにつれて、レイのオレに対する防護壁は次第に緩んで行っているような気がしていた。
レイの方からオレに触れてくれたり、気にしてくれたりするようになった。
でも偶に、オレを見つめる目が酷く痛い色を映す。
それはオレの言葉だったり、行動だったりを見た後で、悲しそうな瞳を伏せる。
確かに似ているのかもしれない。でもオレは彼を殆ど知らないし、真似しようなんて気はサラサラ無い。
「・・・幾ら似ていても、オレはテッドじゃないよ」
「・・・・僕は!そんなこと」
「言ってなくても、いつも思ってるよね。手伝って貰ってて何だけど、一つだけ言っとく。オレはテッドじゃない。テッドにはなれない」
レイの機嫌を損ねたら終わりだ。
それは、重々分かっていたけれど。
何故か、言いたくて仕方ない。それはレイの視線がオレじゃなく違う誰かを見てるから。
レイが向けるさり気ない優しさは、オレじゃない違う誰かに向けられているから。
「・・・テッドは、もう居ない。オレは『彼方』だ」
「そんなの解ってる・・・今更」
「なぁレイ、本当に、オレが『カナタ』だって理解して、オレに接してくれてるの?」
「・・・・・・っ」
ガ・・・ッ!
「・・・つ、ぅ・・・」
強い痛みを感じた。その途端に、レイの気配はその場から消えてしまう。
「・・・いてて・・・あー痛い。痛過ぎる」
殴られた蟀谷に指を這わせれば、ぬるりとした感触があった。
傷付いた・・・いや、傷付けた。言わなくてもいい言葉まで、ガマンできずに吐いてしまった。
「痛い・・・」
怪我よりも何よりも。
きっと、もう近寄ってもくれないだろうレイのことを思うと。
***
「・・・もういいですよ。本当に、無茶ばっかりするから長引いたんです」
「・・・ゴメンナサイ」
左目の調子は上々だ。余り無理をしなければ包帯も取っていいとのこと。
蟀谷の傷も大した物じゃなく、本気で怒らせたにしては手加減してくれたんだなーとしみじみ思ってみたり。
ま、手加減してなかったらオレこの世に居ない気がするんだけどな。
「所で、この傷はどうしたんです?」
「だーかーらー!けっつまずいてアクロバットに階段転落したは良いけど着地に失敗して怪我したんだってばー・・・」
色んな傷や怪我を見てきたホウアン医師には直ぐばれそうな嘘だけど、レイにやられたなんて口が裂けても言えない。
煽ったのオレだしね。いい加減、オレのことを見て欲しいって宣言だったんだけどなー・・・直球過ぎたかな。
「・・・ま、そういうことにしておきましょうか」
「ん、サンキュv」
「わ、カ、カナタ殿・・!」
お礼のつもりの軽いキスは医師にはお気に召さなかったかもだけど、オレはそのまま医務室を出て自室へ戻る。
あれからもう2日。当たり前だけど、レイの姿は何処にも無い。
「・・・ふー、やっぱり、嫌われたかなー・・・?」
暗い部屋に戻って大きく溜息を零したその時、自室の空気が微妙に揺らいだ。
自分以外の気配。敵じゃない・・・でもこれは・・・。
「レイ・・・?」
そんな筈は無い。でも、期待してしまう。
開いた窓の直ぐ傍に、ひっそりと立っているその姿を見るまでは。
「ホントに・・・レイ」
信じられなかったけれども。
「・・・もう、目は良いのか」
「あ、あぁ!治ったよお陰様で!・・・てゆーかホントにレイ?」
出会い頭いきなり心配されてしまった。
そんな気遣いも嬉しいけど、何よりまたココに居るのが信じられない。それぐらい嬉しい。そして混乱してる。
「レイ、オレのこと嫌いになったんじゃないのか?結構、言わなくていいことまでスッパン言って傷付けたような気が・・・」
「僕は、逃げていた」
「えぇ?えーと、・・・何から?」
「・・・変わる事の無い真実から。グレミオの様に・・・いつか、きっといつかテッドも戻ってくるのだと・・・願っていた」
・・・その件に関して思いっきり傷付けた覚えのあるオレとしては何もいえない。
「だから余計に、君を見ていると苛々する。僕と似たような立場に立つ癖に、テッドのような事を平然と言う。置かれた立場を重さを感じないように笑ってみせる」
「・・・えーと、それはオレのことやっぱ嫌いなんじゃ・・・」
「・・・それなのに、気になる。見ていれば苛々するのに、見ていないと不安になる。・・・カナタ、僕はどうしたらいい?」
「・・・・・・・・・・・・オレに訊いちゃうの?!」
参った。こんな展開は予想してなかった。
レイってば、あの超絶美麗な漆黒の瞳でオレを見つめながら・・・泣くんだもん。
「時代は、僕を必要としていなかったのかもしれない。この紋章を手に、天の魁を受け継いだのはテッドだったのかもしれない・・・!」
見てられなくて・・・や、眺めていたいけど可哀相で、胸を貸すように手を伸ばしてみる。
「それを、僕が奪った!彼の力だけでなく、命まで!彼の未来まで壊してしまった・・・!」
素直に倒れ込んできたレイを抱き締めて、髪を梳くように撫でる。
「僕は許されてはいけない。苦しまなければいけないのに・・・君の、所為で・・・何もかも、忘れそうになっていた」
「・・・レイ」
ぎゅ、っと背中の服を掴むレイの手が震えてる。
それは、怒りか迷いか。
「でもさ、テッドは、望んでなかったと思うな。あの時死ねて本望さ」
「・・・何を」
「じゃあ何?レイはテッドに、自分が感じてきた、感じている苦しみを背負わせようって言うの?」
「・・・・・・・・・!?」
「テッドが何のために死んだのか。・・・守りたかったんじゃないの?なぁ、解ってる?」
「そんなこと、解ってる・・!」
「じゃあなんでそんな辛そうな顔ばっかりしてるの。この世の終わりみたいな。それって、生きてるって言わないよ」
一つ間違えば、オレは本気で嫌われる。
でも、今言わなきゃレイはもう戻って来れないような気がした。
「テッドが命捨てて守ったものは、ただ綺麗なだけのお人形でした・・・じゃ、可哀相だと思わない?」
「・・・」
「ねぇ笑ってよ。今だけ、テッドの代わりになってあげるからさ。・・・テッドが守りたかったもの、オレに見せてくれないかな」
一体どれだけの時間が流れたのだろうか。
静かに涙を零し続けていたレイは、オレにしがみ付く力を緩めて、顔を上げる。
そして少しだけ。
ほんの一瞬だけだけれど、困ったような、気まずいような表情を浮べた顔はそのまま。
今まで見たことも無いような綺麗な笑顔を浮べた。
Next 11
⊂謝⊃
坊主・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?_| ̄|●
攻め!泣いちゃ駄目だってばよ!なんで泣くんよ!?あぁ泣かしたの俺か!!?( ̄□ ̄;
緩やかに近付いてた二人の距離は、まぁコレでぐっと近くなるんですが!!
坊主になるためにはもうちょい時間がかかりそうでスね。・・・頑張りまーす(笑)
してして、今回は色々とお待たせ し 過 ぎ て 申し訳御座いませんでした<(_ _)>
とんでもない時間の開いたupになってしまいましたがええと。
カンの良い方はお気づきでしょう。(笑)タイトルしりとり終わってしまいました。(笑)
んーでも大丈夫!続きます勿論!
ただそろそろタイトルから話考えるネタ切れになってきたのとカナタ一人称が面倒になってきたって事が原因からして・・・(ぇ)
次回はレイの一人称かもね!(あくまで予定。/笑)
ではでは、こんな所でまでお付き合いありがとうございましたv
次回もお楽しみにv
斎藤千夏 2005/12/25 up!(うぉメリクリかよ?!/遅)