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ルルノイエ編  第12話


*守りたい*




どれ程の時間、山に押し殺した嗚咽が響いていたのだろうか。
乾いた風の吹く季節は夜が早い。紅かった空は、急速に彩度を落として漆黒ヘと変わって行く。
「・・・っく・・・、ジョウ・・・イ・・・」
傷だらけのまま泣き続けるオミに、セフィリオはどうしてか近寄る事が出来ないでいた。
今のオミの哀しみを、共に受け入れて癒すべきだという事は分かっている。
けれど、背を向けてしゃがみ込んだオミから数歩離れた場所で、感覚のない右腕に左手を添えたまま、ただ何も出来ずにセフィリオは座り込んでいた。
事実、立っている余力など残ってはいない。だが動けない訳でもない。
セフィリオが消耗していた気というものは、時間の経過と共に治るものだから、休んでいる時と比べては遅いものの、なんとか自力で動く分に足りる程度には回復した。
「・・・オミ」
聞こえていないだろう小さな声で、そっとセフィリオはオミの名を呟く。
近寄れないのは、動けないからではない。
セフィリオも知っているからだ。
こんな風に、目の前で近しい誰かを失った瞬間を。
あの時は慰める仲間の言葉ひとつひとつが重く、慰められるはずの仲間の心に苦しめられたものだ。
腫れ物に触るような接し方は、逆に傷を広げてしまう。
深く傷付いた心を癒すには、ただ、時間を必要とするのだが。
「オミ」
重い足を動かして、地面に座り込んだままのオミへと近付いた。
あの時。言葉よりももっと欲しかったものがあった。
だがそれを与えてくれるはずの相手が居なかったために、セフィリオはただ『時間』という薬を使用した。
けれど、その『時間』というものは、傷付いた痛みを忘れるまでの膨大な量を必要とする。実質、セフィリオは三年かけても癒すことが出来なかった。
その間、苦しみは常に付きまとう。・・・そんな痛みから、オミを守りたいと思った。
「・・・・オミ」
「・・・っ・・!」
嗚咽を続けるオミの背中から腕を回して、後ろから強く抱き締める。
骨の折れた右手に力を込めれば、走った激痛に汗が滲んだ。
けれど、力は緩めない。
『体温』というものは、時として様々な薬になるということを、オミと出会ってようやく知った。
「・・・オミ」
だから、言葉は紡げなかった。伝えたいことは沢山あるのだけれど。
ただ触れる体温で、セフィリオの心を感じて貰う以外に、オミの心を癒す方法が思い浮かばない。
「オミ・・・」
零れるのは、ただオミの名ばかりで。
それでも、耳元で呼ばれ続ける自分の名前に、オミが、小さく反応を返してきた。
「僕、僕は・・・っ!・・・どうして、ジョウイを・・・!!」
そう。感じている苦痛を心の中に留めて置くよりも、吐き出してしまった方が楽になれるものだ。
嗚咽を噛み殺しながら吐き出されるオミの悲鳴に、セフィリオは目を閉じて耳を傾けた。
「僕の、僕の所為だ!どうしてジョウイが死ななきゃいけないんだ・・・!他にも、方法はあった筈なのにっ・・・!!」
オミの腕には、重々しいほどリアルにそれが残っていた。
トンファーを伝って感じた衝撃。ジョウイの身体を貫いた、一撃の重みが。
「・・・英雄?この土地の主だって?・・・僕は、大事な家族も親友も守れなかった・・・いや、殺してしまった人殺しなのに・・・?!」
その言葉に、セフィリオの腕から一瞬力が抜けた。
ふと、そこで、思い出した。
「・・・セフィリオ」
彼も、かつて同じ道を辿ってきた『英雄』であることを。
一度は『最も近しい従者』を失って、二度も『最も親しい友人』を失い、彼はその手で『尊敬していた父』を手にかけた。
その時の苦しみは、たった今親友を手にかけたオミとどれほどの違いがあるのだろう。
いや、比べられるものではないが、オミは、ふと忘れていた温かさを腕に感じて不思議と心が落ち着いていくのを感じ取っていた。
荒れ狂っていた波が急に静けさを取り戻すかのように。セフィリオの静かな気が伝わってきて、荒立ったオミの心を静めていく。
そこで、ようやくぼやけていた視界に、右手に輝く紋章が映り込んだ。
そこには今までの輝く盾でもなく、ジョウイの黒き刃でもない新たな紋章が浮かび上がっていた。
オミの不安定な心と同じく、安定しきれていないそれは、鈍った輝きのまま静かに明滅している。
けれども、漸く一つになれた紋章は満足そうにその力の片鱗を見せていた。紋章を解放しているわけでもないのに、そこに感じるのは圧倒的な力。
今までの紋章など比べ物にならない。凛とした不思議な存在感が、微かに重く感じる右手に宿っていた。
そう、これは。ジョウイの命と引き換えに手に入れた力。こんなものを手に入れるために、一体どれだけの命が消えていったと言うのだろう。
「・・・僕は、道を間違えたのかな・・・。ジョウイを殺してまで・・・僕は何を手に入れたかったんだろう」
嗚咽の消えたオミの言葉に、セフィリオは漸く重い唇を開いた。
伝えないでおくことが出来るならば、伝えたくなかった。これを聞けば、オミはセフィリオを拒絶するかもしれない。
けれど、オミが答えを求めるなら。迷うくらいならば、それを伝えるまでだと言葉を紡ぎ出す。
「・・・ごめん、オミ。こういう結末になってしまったのは、全て俺の所為だ」
「・・・・・・どういう、こと・・・?」
素直に抱き締められていた体が、ふと嫌がるように身を捩って逃げた。
予想通り、解放を望むオミのままに腕を緩めて、身体を引き離す。
「俺がオミと出会わなければ、この戦争はこんなに長引くこともなかった。オミと・・・彼の間に割り込んで、悪戯に長引かせたのは俺なんだ」
ただオミと過ごせる時間が延びるように。戦争が長引けば、オミの紋章が不安定のままならば、オミがセフィリオを手放すことが出来ないと分かっていて、利用した。
ミューズでジョウイが起こした暴走も、元はと言えばセフィリオが彼を煽った所為だろう。
セフィリオの知らないオミを知っているジョウイが妬ましくて、今は自分のものだと正面から挑発した。
あの時まで、冷静に気持ちを押し殺していたジョウイの熱情を揺さ振ってしまったのは、紛れもなくセフィリオなのだから。
「・・・今回も、俺が割り込んでさえこなければ。・・・・オミがジョウイを」
「違う!そうじゃない・・・、そうじゃないんだ!!」
伏せていた目を開ければ、押さえ込んでいた涙を再び流して頬を濡らすオミと目が合った。
ジョウイが光となって消えてしまってから、初めて交わらせた視線。
泣き続けたオミの目は赤く腫れて痛々しい。それよりも、全身に残る傷跡が。
痛いだろう、苦しいだろうに、そのどれとも違う痛みに、オミはまた涙を流す。
「僕って最低だ。ジョウイが死んだのに、僕が殺したのに、心のどこかで、良かったと思ってる」
引き攣るような声は出ない。涙はただ静かに、オミの両頬を濡らして、地面に吸い込まれていく。
「ジョウイの言う通りだったんだ・・・!僕は、家族よりも親友よりも・・・っ!」
本当に、守りたいと願っていたのは。
「貴方だけなんだ・・・・セフィリオ・・・ッ」
オミの声が耳に届く前に、セフィリオはもう一度オミの身体を抱き締めていた。
今度は、オミの髪に指を埋めて、胸に押し付けるように。
柔らかな髪に唇で触れて、その温かな存在に苦しいほど胸が締め付けられる。
失わずに済んだ、腕の中の温かさ。
そして、隠しもせずに、心の中を全て吐露したオミの本心にも。
辛い選択を選ばせた事。そして、自分を選んでくれた事に。
「ごめん・・・いや、―――ありがとう」
抱き込まれ、押し付けられた体温が、酷く優しくて。
セフィリオの胸に縋りつくような態勢のままで、決断を迷ったオミへ、最後の後押しをしてくれた彼のために。
永遠に消えてしまった親友のために。もう少しだけ、泣いた。





-----***-----





「お、オイ?!傷だらけじゃねえか!ってその右手・・・!」
「あぁ、うん。折れてるよ。彼も腕を上げててね。油断してた」
「じゃねえだろ!ほら、オミ渡せ。そんな怪我したままじゃ辛いだ・・・ろ?」
フリックとビクトールは、セフィリオが戻って来るのを半ば苛々しながら待ち続けて、気が付けばもう夜が明けていた。
ようやく戻ってきたセフィリオは、無事な左腕にオミを座らせる様に抱えて降りてきたが、戻ってきた二人の姿に、ジョウイを知る者としては胸が痛んだ。
それでもやはり軍主の無事には胸を撫で下ろして安心したのだけれども、明るくなった空の下で見てみれば、二人とも結構な惨状で。
二人とも傷だらけだったが、外傷は気を失っているオミの方が酷い。
一方、セフィリオの右手は一目見て重傷だと分かるほどに激しい折れ方をしていて、白い長袖は見るも無残に真っ赤に染まっている。
いくらオミの腕が首に回されているからとて、片腕で人間ひとり抱き上げるのは辛いだろう。
「・・・いや、大丈夫だから」
痛みも酷いだろうに、差し出されたフリックの腕を無視して、セフィリオはオミから手を離そうとはしなかった。
確かに痛いは痛いのだが、オミに触れていると不思議と痛みが和らぐ。
何時の間にか流れる血も止まったようで、今では動かしさえしなければ、ただ重く感じる程度だ。
それが失血による麻痺なのか、回復なのかは分からないが。
「このまま俺が連れて帰るよ。二人は、先に戻ってて」
幹に括りつけていた馬の縄を解いて、鐙に足をかけたセフィリオは軽い動きで馬に跨る。
とてもじゃないが、昨日とはまるで別人だ。たった一晩で休んでいなかったのにも関わらずここまで回復する奴も珍しい。
だがそれより不安なことがビクトールとフリックに降りかかっていた。
「・・・ちょっと待てセフィリオ。戻るって、どこへ帰るつもりだ?」
戦争は終った。最後の決着も付いた。そして、オミは何処へ戻るというのだろう。
三年前の前科者であるが故に、このまま何処かへ消えてしまいそうで不安だったのだ。
けれどもセフィリオは二人の不安を余所に、優しげな笑みを浮べたままで、腕の中のオミを見つめた。
「・・・このまま攫ってしまおうかとも思ったけど、まだ軍主の仕事が残っているからね」
「・・・・」
「・・・・」
三年前の戦争からの付き合いでも初めて見るセフィリオの表情に、フリックもビクトールも一瞬言葉を忘れた。
「先に戻ってるよ。・・・じゃあ、ジェイド城で」




-----***-----





フリックとビクトールと別れ、城に戻るまでの道のりで、セフィリオはあえて遠回りを選んだ。
キャロの町を通りすぎ、燕北の峠も抜けて、崩壊したトトの村をも通過する。見えてきたデュナン湖の北を真っ直ぐに進むように。
どうしてこんな回り道をしてしまったのか、彼自身にも良く分からない。
城のあるノースウィンドゥには湖を南下した方が近いはずなのに、何かに呼ばれるようにセフィリオは馬を走らせる。
運良く怪物とも出会わなかった。幾ら馬であれ、旅人を見つけては襲ってくる彼らも、何かに怯えたように姿ひとつ見せていない。
邪魔も入らず順調に馬を走らせて数刻。一度も止まる事のなかった馬は、人気のないミューズ市へと到着した。
「・・・この町にはいい思い出があるとも思えないんだけど。・・・呼ばれた、かな」
休むことなく進んできたというのに、セフィリオは不思議と、身体が軽くなっていることに気付いていた。
右手も、軽く動かす程度までは回復している。袖を捲ってみれば、皮下はまだどす黒く染まっているが、折れた骨に裂けていた肌は綺麗に塞がっていた。
昏々と眠り続けるオミの肌に残る各所の傷も、今では乾いた血が張り付くだけで、その傷跡は細く白い線になっている。
こうなればもう気のせいではない。何らかの作用で、セフィリオとオミの傷が癒えているのだ。それも急速に。
「・・・紋章?」
オミの紋章は、輝きの輪郭を次第にはっきりと見せていて、感じる圧倒的な力は、それでもどこか優しげに感じる。
獣の紋章による惨殺に利用されたミューズの街は、魂に近しい紋章を宿したセフィリオには苦しいほど、重い空気を感じさせるというのに。
触れているオミが暖かい。それだけで、こんなにも足取りが軽くなる。
何か、見えない膜に包まれているような、不思議な感覚だった。
カツンと、オミを腕に抱えたセフィリオの足が止まる。そこは、市庁舎を正面に見据える、ミューズの大通り。町の中心地。
「・・・さぁ、言いたいことは何?」
セフィリオの声につられるように、オミの紋章が一層強く光り輝く。
目を閉じなければ耐えられない光に、オミを抱いたままセフィリオは瞼を閉じた。
キインと共鳴するような耳鳴りに意識が引っ張られて、頭の芯が白くぼやける。それまでに、感じたことのない強烈な力だった。
その紋章の力と、セフィリオの紋章に助けられるようにして、ぼやけた輪郭がセフィリオの前に降り立つ。
「・・・・さっきの今で、もう出てくるのか?」
皮肉半分に言ったセフィリオの言葉にも苦笑を返して、半透明に透けた『ジョウイ』は笑った。
[どうしても、言わなければいけないことがあって]
「へぇ?それは、俺に?」
[・・・・えぇ、オミが選んだ貴方でないと、頼めないことでしょうから]
冷静なジョウイの言葉を聞いていると、何処かで話したことがあるように思えて、セフィリオは苦笑した。
軍主然としている時のオミは、よくこんな話し方をするのだ。
人と一線を引いたような引いていないような、畏まったような、砕けたような。
打ち解けやすいのに、それ以上入り込めないような威厳を感じさせる、この言葉の選び方。
「・・・幼馴染なんだよね」
セフィリオのその言葉に、ジョウイが何を感じたのかはわからないが、あまり時間を使ってられないとばかりにジョウイがセフィリオへと手を伸ばした。
[今の僕はオミの紋章に残った記憶の断片、残留思念みたいなものです。本当の魂は半分砕けてしまったから、僕はもう転生は出来ないでしょう]
「・・・・そうだろうね」
透けるジョウイの不安定な身体は、ナナミの時よりもはっきりとしているが、存在感が全くと言って良いほど感じられなかった。
「で?俺に望みっていうのは・・・?」
伸ばされた手を、オミを抱えていない右手で受け取る。その時、突然セフィリオの紋章が発動した。
だがジョウイは平然と微笑んだままで、静かに頷くだけ。
「・・・ッどういうつもりだ・・・?」
[半分になった魂でも、想いだけは残せる。・・・守らせて欲しい。貴方の力と共に]
セフィリオの意思など関係なしに、右手の紋章はジョウイの魂を飲み込もうと口を開ける。
オミの紋章の光に包まれているせいか、ソウルイーターの荒々しい力はさほど苦しいとは感じなかった。
見境なしに、この場に漂う魂を刈り取ってしまうかとも思ったか、ただジョウイの魂だけを飲み込んで、紋章は静かに治まっていく。
「・・・馬鹿だろう、お前」
[貴方に、言われたくないですよ・・・]
ジョウイはセフィリオと共に、守り続けることを選んだ。
最後の苦笑と同時に、『ジョウイ』という自我は薄く消えてなくなってしまったが。
「・・・・それも、そうだな」
白い光の中で眠り続けるオミへと向ける想いだけは、一層強く深まったと言って良いだろう。
何を犠牲にしようとも。ましてこの身を差し出そうとも。
「・・・守り続けるよ。君の分までね、ジョウイ・・・―――」
今だ目の覚めないオミの唇を指でなぞって。眠りの縁から呼び戻すように、小さな呼気の洩れる唇を、そっと塞いだ。


「シュウ兄さん!あ、あの光は!」
「・・・あれは・・・ルルノイエ城の上空で輝いたものと同じ光・・・!オミ殿・・・?!」
ミューズから立ち昇る真っ白な紋章の光は、北は皇都ルルノイエより北部のサジャの村から、南はバナーの村を飲み込む勢力で包んでいく。
戦争に巻き込まれ、沢山の心や身体の痛みを抱えて続けていた者たちは、その柔らかな癒しの力に目を見張った。
焼け焦げた大地には新たな芽吹きが降り注ぎ、立ち昇る煙火の燻りも静かに消えていく。
「軍主様・・・?」
名も知られていない、出来たばかりの小さな村で一人の少女が声を上げた。
守ると、言ってくれたのだ。哀しみを生まないような大地にすると。
「オミ様・・・、オミ様が、同盟軍が勝ったんだ!!」
ハイランドの勢力下にあった者たちにしてみれば、少々複雑な想いも残るが、新たな主の力を目の当たりにして、継ぐべき言葉が出てこなかった。
それだけに圧倒的で温かな力は、全ての傷を癒していく。荒立った心を鎮めていく。
「万歳!・・・都市同盟に、アルジスタ軍に、オミ様に!万歳!!」
歓声は留まることを知らず、新たに生まれ変わったこの大地に、喜びの声が溢れ続けた。


「・・・ん」
ゆっくりと、開かれたオミの瞳に、鮮やかなセフィリオの瞳が写り込む。
間近で触れ合う体温に、オミは小さく目を細めた。
「・・・ねぇ、セフィリオ」
「ん・・・?」
抱き締める腕に力が篭る。お互いの身体に残っていた傷も痛みも、全てが綺麗に消えていて。
苦しさも、何もかもから解放されたのは、セフィリオを通して感じる『想いの力』のお陰。
「守りたい・・・。僕は・・・この大地を」
軍主として、いや・・・盟主として。
「皆が守ってくれた僕が、どこまで守れるか分からないけれど、・・・守りたいんだ」
この広い大地が二度と傷付かないように。
オミの言葉に答えるように、セフィリオの温かさが、もう一度唇に触れて、重なった。







END





⊂謝⊃

 一度書いたところまでではイマイチ納得が行かなかったので追加しちゃったv
 この話の中でミューズ前までは昨日2時間くらいで書いたんですけど(笑)
 書きながらネタが浮かぶってイイね!!あー楽だったな今回は(笑)
 ・・・つーか終わりが見えてくると寂しいもんだなー(苦笑)

 っていうかごめんなさい!ルルノイエが最終章!って言ってましたけど、
 あともう一章追加させて下さい!キリ良いので!!(苦笑)
 いやもうホント後少しで終るんだけどね(笑)
 ってな訳で、ルルノイエ編はここで終りですv

 ではではお付き合いくださいまして、ありがとうございました!

斎藤千夏 2005/10/09 up!

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