*Alignment*
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静かに揺れる一定の振動を心地よく感じながら、リアはうっすらと目を開いた。
あれだけ荒れていた空は、何事もなかったかのように快晴だ。雲ひとつない。
けれど、少し冷たい風が吹いて、思わず近くの暖かなものに縋りついた。
「・・・あれ?僕いつの間に眠って・・・」
覚えのある匂いと温かさ。
「・・・おはよう」
声のした方を見上げた先に、ユエの顔。
「・・・・っ・・///!」
それも柔らかく微笑んでいるのだから、目覚めの一撃としては十分な攻撃力だった。
目が合った瞬間一気に赤く染まったリアの頬にキスを落として、ユエは足を止めた。
「歩ける?」
「は、はい!大丈夫です・・・///」
どうやら眠ったままのリアを抱いたまま歩いていたらしい。
見回すと、もうそこはバナーの村の近くだった。
「ごめんなさい、重くなかったですか?」
「軽かったよ。ちゃんと食べてる?」
そうユエに尋ねられた瞬間、勢いよく胃が自己主張した。
「あー・・・///」
「・・・そうか、じゃあバナーへ急ごうか」
くすくすと小さく笑いながら、ユエは手を差し出す。
リアはその手を取って、バナーへと足を進めた。
-----***-----
「リア!!!」
「ナナミちゃん・・・?!」
村の入り口に差し掛かる森の出口。
いきなり誰かに押し倒されるような形でリアは地面に転がっていた。
飛びついてきたのは、もちろんナナミ。
「ねぇリア!怪我してない?!あんなところから落ちたからお姉ちゃんとーっても心配したのよ!!」
ビクトールの砦から逃げたした後キャロの家でもされたように揺すられる。
「ナナミ、もう勘弁してやれ」
「そのまま続けるといい体調も悪くなるぞ」
呆れ声のビクトールと、少々笑いを含んだフリックの声が響く。
「でもま、無事でよかった」
やっとナナミから助けて貰ったリアは、フリックに助け起こしてもらった。
「うん、ユエさんがいたから・・・」
少し離れたところでリアたちのやり取りを見ていたユエ。
あまり感情をあからさまにしない分、表情は乏しいのだが、今は違った。
「・・・いいことでもあった訳?変な顔」
「・・・ルック。そうだね」
頭上の木の上から聞こえた声に、ユエは微笑んで返す。
「・・・あんなののどこがいいんだか・・・悪趣味」
「覗きも十分悪趣味だと思うけど・・・?」
「・・・助けるのやめた方が良かったみたいだね」
流石にユエとしてもあの断崖絶壁をハシゴもなく登るのは不可能だ。
真の紋章をを通して、ルックの真の風の紋章に呼びかけて見たのだ。
扱えない紋章だと自分で思っていただけに、直ぐに現れたルックの姿に驚いたのはユエの方だった。
でもそれは探していたリアとユエの紋章共鳴に気付いて、直ぐ傍で見ていたからだったのだが。
「・・・ごめん。でも、それであの子を助けられた。ありがとう」
「今日はやけにおしゃべりだね・・・別にいいよ礼なんて」
それだけを言い捨ててルックの気配は頭上から消えた。
もう一度、視線をリアに戻す。
安心して泣き出したナナミを宥めながら、こちらの視線に気付いた。
嬉しそうに、恥ずかしそうに笑ってくれた。
だからユエも、微笑み返す。
「立ち話もなんだ。腹減ったろ?行くぞ」
ビクトールに促されて歩き始める。
新たな旅を始めるために。
END
*謝*
Alignment タイトル訳:同調
なんか色々苦労しましたお話です。ユエ×リアでは初裏って所ですか。(笑)
裏って言うほどまで行ってない気もするんですけど・・・(爆)
でもやっぱりあれですね、ひさしぶりに書くと恥ずかしいですね・・・。
こんなのまだまだ序の口とか思ってる自分と、この先書きたくないと考える自分の間で
うーんうーん唸ってます。(笑)
ユエ×リアで見たいですか?この先を(笑)
Saitou Chinatsu* 2003/05/17 up!
・・・とここで訂正入ります。(笑)
(名前出していいんですかね/汗)〜様の暖かいご指摘により間違い発覚。
『四十八苦』ってなんですか俺。やっぱり48手の影響ですか?!(オイコラ)
そうです。ご指摘受けて、どう考えてもそこは『十中八苦』なんですね。(笑)
さぁ、何処だか分かるかな?探してみよう★(笑)