A*H

RE27♀(微妙にパラレル)

※注意!※
もしかすると女体かもしれない。
ちょっち下ネタかもしれない。でも所詮保体レベルです。
所詮はネタなので笑って読み飛ばしてくれる方のみどうぞ!

 

 

 

 

*無自覚なプロポーズ*





「・・・ちっ、今日はここまでにするぞ」
季節は初夏。
随分と気温も暖かくなって日照時間も長くなった。けれど修行に熱中するあまり少々時間を使い過ぎたようだ。
茜色から藍色に変化していく西の空の様子から、家に帰り着く頃には完全に真っ暗だろう。
何事も『完璧』で生きているリボーンにしてはらしからぬ失態に小さく舌打ちを零し、被っていた中折れ帽を小粋に下げる。
カチリと極めたスーツに似合う仕草は見惚れるほど格好良いが、御年四歳の家庭教師様は意外にもゆっくりと成長しているようで、今でちょうど綱吉の腹辺りまで身長も伸びた。
二度目の成長だからか、四歳という年齢からすればリボーンは大きい方だろう。
しかしながら綱吉の方はこの二年で僅か一センチ程度しか成長しなかったのだが。
「・・・はぁああ!やっと終わった・・・!!」
「この程度で音を上げてるようじゃ先が思いやられるな。もっと厳しくネッチョリいくか?」
「勘弁して下さい先生」
勉強ダメ運動ダメのダメダメのダメツナだった14歳の頃からすれば、現在16歳の綱吉は随分とマシにはなってきたと思う。
無事みんなと一緒の高校にも上がれたし、日々の勉強もなんとかついていっている。
運動もそれなりで、ドジなところは変わらないが何とか人並み程度には足並みを揃えることは出来ているのだろう。高校生活の上で綱吉をダメツナと呼ぶ者は居なくなったのだから。
しかしそれは結局一般人の並レベルであって、リボーンが目指しているものはその遥か上なのだ。
カテキョ様に『ダメツナ』と呼ばれなくなる日はまだまだ遠い先の話だろう。
終了の合図と共に着替えだした綱吉の身体を横から眺めつつ、中々出来上がらない体つきにリボーンは溜息を零した。
「細ぇ身体しやがって。ちゃんと食って寝て運動してこれか」
「毎日あれこれ口出ししながら見張ってるくせによく言うよ。・・・でも、そうだなぁ。最近あんまり食欲ないかも」
学校を終えたその足で並盛の裏山や、最近では寂れた廃ビルでの実践修行などに明け暮れる日々だ。
そのお陰で毎日ぐっすり寝ているのは確かだが、どうにも疲れが取れていない気がする。
「しっかり食え。今身体作っておかねぇと身長これで止まるぞ」
「う、うるさいな!俺だって気にしてるんだよ・・・!」
毎日制服を汚すのも考えものなので、簡単な着替えを持参しての修行となる。
泥だらけで微かに血の浮いたTシャツで街中を歩くわけにも行かず、改めて制服に着替えながら確かに細い自分の身体をじっくり眺めれば、未発達の薄い身体がそこにあった。
「もう十六なのにさ。身体が分厚くなるどころか・・・なんか、母さんみたいでさ」
「・・・ふむ。確かに奈々に似てきたな。家光の血は何処へ消えた?」
「俺だって知りたいよ」
男の身体なら、分厚い筋肉のために身体に厚みが増えるのだが、どうしたって変わらない薄っぺらな綱吉の身体。
どころか、じっくり眺めれば眺めるほど感じるのは、少々丸みが出てきたような気がするのだ。
太ったというわけではない。けれど仮にも男である以上、肩のラインや背中など幾ら未発達の身体だといえ骨っぽくゴツゴツしているもの。
修行の結果、細かい傷が沢山ついた肌は綺麗とは言いがたいが、そこにあるのは丸く滑らかな体なのだ。
それがますます母親である奈々に似てきたように見えるのだが、変な違和感を感じてリボーンは綱吉に屈めと言った。
立ったままでは背の届かないリボーンの言う通りに上半身を斜めに傾けた・・・ところで。
「・・・あ、れ?」
「ツナ?」
やはり疲労が溜まっていたのだろうか。
頭を下げた瞬間に、血が一気に下がったようなザーという音が聞こえた気がした。
「・・・ツナ!」
ぐらりとした眩暈に『あ、やばい』と感じた時にはもう、意識は急速に真っ暗な闇に塗りつぶされて消えていた。

 

***

 

普通の病院でも構わなかったのだろうが、何か思うところのあったらしいリボーンはシャマルを呼んだ。
女しか見ない医者だとして裏でも有名だが、とある縁で綱吉の病を治療してから色々と放っておけなくなったらしい。
口ではぶつぶつ言いながらも、結局は次期ボンゴレ十代目となる綱吉の主治医として立場を確立させていた。
「・・・リボーン、悪いがここじゃわからねぇ。俺の診察室に運ぶぞ」
「・・・あぁ」
昏倒した綱吉を家に運んだまでは良いのだが、原因が分からない。
ただの疲労だと思っていたリボーンからすれば、シャマルの真剣な声に内心驚いていたが表情には出さず頷いた。
急ぎ回した車で運び精密検査を受けることになった綱吉だが、未だぐったりと意識を飛ばしたまま目を覚まさない。
検査が終わっても目覚めない綱吉にいい加減我慢出来なくなったリボーンが眠り込む生徒の頬に軽く手を伸ばした時、男にしては長い睫が揺れて、更に大きな瞳がゆっくりとリボーンを映した。
「・・・リ、ボ・・・?ここ・・・」
「シャマルの病室だ。倒れたのは覚えているか?」
触れようと伸ばしていた手をさりげなくベッドに置いて横たわる綱吉の隣に座り、ぼんやりしたままの生徒に問いかける。
「覚えてるような・・・覚えてないような。修行中・・・いや、帰る時に倒れたんだっけ?」
考え込んだ綱吉の顔色はやはり良いとは言えず、白く細い身体がこのまま壊れてしまいそうな変な不安に襲われた。
教え子の不調だからと言ってこんなに不安定な感覚になることなど初めてで、いよいよ何か恐ろしい病にでも掛かってしまったのかと思考がよぎったその時。
「待たせたな。・・・おう、目が覚めてんなら一緒に聞け。しっかし、驚いたぞ」
「・・・深刻な病気・・・とか?」
カルテや何か分厚い資料をばさばさと振り回して、開いていた椅子にドカリと座る。元々リボーンが座っていたものだが、リボーンも綱吉のベッドに座ったままシャマルの言葉を待った。
無言で差し出したリボーンの手に、その分厚い資料を渡してやる。
「いや、病気っつーかな・・・先天性のものだったんだが、坊主・・・いや、これからはなんて呼びゃあいいんだ?」
「回りくどいな。はっきり言え」
「何処に原因があるかじっくり調べて分かったんだがな。血液から遺伝子までを調べてみた結果、お前さん・・・男の身体で生まれておきながら、身体ン中は完全に女だということがわかった」
「・・・は・・・?」
「どういう意味だ」
言われた本人は尚のこと、リボーンでさえ理解しかねて再度の説明を求める。
「半陰陽って知ってるか?大まかに男と女に分けられる人間の性別にも実はバラエティがあってな。お前さんは外見は男だが遺伝子学上では立派に女の子ってわけだ。ある意味女しか診ないという俺のポリシーは守られたって訳だが、ここからが問題有りというかなんというか・・・」
がりがりと頭を掻きながら、言葉を濁すシャマル。
けれど、綱吉は未だ呆然とシャマルの言葉を未だに理解しきれず反芻していた。
「女・・・?でも、俺、今までずっと男として生きてきたけど」
「事実だ。数値は嘘を吐かねぇからな。まぁ、ちっとばかし遅い二次性徴期がそろそろ来る。その時には嫌でも分かるだろうが・・・一つ聞いていいか」
「な、なに?」
「・・・あのな、綱吉。お前自分でシコってみたりとかしたことあるか?」
「は?」
更に飛んだ質問に、もう理解どころか耳さえ遠くなった気がする。
プチパニックに陥った綱吉の横で、リボーンが資料を斜め読みしながら「ねぇぞ」とさらりと答えた。
「ふむ。夢精・・・いや、精通はどうだ」
「それもまだだな」
「って、なんでリボーンが答えるんだよ!?」
「実際ねぇだろうが。何だ?反論できるってんならシたことあんのかよ」
「・・・ない、けどっ!」
「ならいいじゃねぇか。シャマル、それで?」
良くない!と騒いでいる綱吉を放置して、リボーンはシャマルに続きを促した。
「精通が先か初潮が先かってとこだな。両方面で機能する半陰陽は滅多に居るもんじゃないが、俺の見解では精通の望みは薄い」
「・・・しょちょうって?」
「生理だな。月経って言えば分かるか?」
途端、茹で上げた蛸のように首から徐々に赤く染まっていく顔を見て、シャマルはどことなく嬉しそうだ。
さりげなくセクハラだと蹴りを入れておいて、リボーンは更に先を促す。
「ごほ・・ッ!ったく冗談だろーが、本気で蹴り入れやがって。・・で、だ。そもそも気付かなかった俺たちだが、きっと親は知ってるだろう」
「・・・親?母さん?なんで」
「お前、ホントに何にも知らねぇんだな・・・」
十六歳と言えば本格的な保健体育などで習っているだろうに、と考えて今時の教育方針を思い出した。
「・・・そういえば、今は男女別々にやるんだったか。いやそれにしても」
「ウゼェ。何だ、はっきりしろ」
「・・・月経が起こるって言ったのは事実足の間にあるだろ裂け目!ってことだ!」
「・・・あるのか?」
「え?普通あるもんじゃ・・・ないの?」
「シャマル・・・診たのか?」
「・・・仕方ねぇだろ。俺だってなぁ男の裸体なんぞ見たくもないが一応医者だぞこれでも!」
叫びながら、チャキリと音を立てて安全装置が外された銃が構えられる前にシャマルはとっとと逃げ出した。

 

***

 

「あら、やっぱりツっ君女の子なの?」
「やっぱりって、母さん・・・」
「それはね、知ってたわよ。でも家光さんが絶対誰にも言っちゃだめだって言ったの。綱吉が大きくなってね、気付かないならそれまで。気付くようでも、そのまま男として生きて貰いたいって言ってたわ」
能天気な母親にそう告げられて、脱力した綱吉はよろよろと部屋へと戻った。
まだ軽い眩暈を感じるような気もするが、それ以上に今くらくらとしているのは母親の言葉のせいだ。
「・・・なんで母さんあんなに能天気なの!俺、ある意味人生ひっくり返されたみたいな衝撃受けてるのに!」
ぼふんと顔面からベッドにダイブしてけだるい身体で横たわる。
「それに父さんも父さんだ!俺にさえ秘密にしろってなんだよそれ・・・!」
「・・・初代のせいだな」
「初代・・・、ってボンゴレの?」
「噂はあったらしい。初代の身体は両性体でな。それを知っていた従兄弟の二代目に無理矢理嫁にさせられそうになったから極東に逃げたという噂だ」
「・・・・二代目って、なんか雰囲気がザンザスさんに似てる・・・?」
「そうなのか?あぁ、お前は継承の儀式の時に見たんだったな。・・・まさか、ザンザスもそんなことにはならないと思うが、家光の言うことも最もだ。これからも男として過ごせ」
そう言いながらリボーンは目の前の綱吉の身体をじっと眺める。
こんな発育不良の子供が『女』と気付かれるはずもないが、念には念を押しておいて間違いはない。
「で、でもそのしょちょうとかいうのが始まったら俺どうしたらいいわけ?ま、まさか胸とかは・・・」
綱吉にとって女性である象徴はやはりやわらかく膨らんだ胸なのだろう。
言いながら、赤く染まっていく頬を内心可愛いやつだと思いながらもリボーンは冷静に答える。
「ホルモン剤投与はしない方向で行く。辛いだろうが耐えろ。・・・まぁ、お前の貧弱な身体なら胸もそう育たないと思うぞ」
「そうだけど!育ったら俺だって困るけど・・・俺、どうしたらいいのリボーン」
ぎゅうと握り締める手の平。
縋る手さえ、綱吉からは触れられず、縋りたいというせめてもの意思表示が服のすそを引っ張る程度だとは。
そもそも他人に身体をべたべた触られるのは誰だって好きではないと思うが、リボーンの場合、別段苦手というわけではない。
最初綱吉に痛い目を見せたのははっきりとした実力差を見せ付けるためと、不用意に触れさせないことでリボーンを見下げた目で見ないようにするためだ。
綱吉の中にリボーンの位置は堅牢たる存在感を持ってして『家庭教師』と位置づけられている今、そろそろ解禁してもいいだろう。
「不安か」
「そ、りゃあ・・」
「ま、安心しろ。俺が全部教えてやる。お前が知りたいこと、不安に思うこと。何でも話せ」
跳ね放題の髪も、男ならばまぁいいだろうと放っておいたが、ここも手をくわえるべきかもしれない。
不安げに見上げる瞳を上から覘き返し、その頭を腕に包んで抱き締める。
自分から触ってこない代わりに、リボーンから触れる手を綱吉が拒んだことはない。
「リボーン・・・本当に?」
「俺が居る。まだ不安か?」
「・・・ううん。わかった、あの、よろしくね」
困ったような、けれど嬉しいような綱吉の曖昧な笑顔を見るのは初めてではないけれど。
「・・・っ」
その顔を正面から向けられて、唐突にドキンと跳ねた心臓。
綱吉に異性を意識したことはないが、改めて、女といわれてああなるほどと思う。
いや、女性としての目線で見るならば、綱吉は中の上を超えるだろう。
半端な男として生きていくより女として生きて行ったほうが、きっと楽に生きられる。
けれども初代ボスと同じ武器を使用し、似通った顔形に、さらに特異な体質まで似てしまうとは。
しかもこれがばれてしまったらなおさら、綱吉の身体を狙う連中がわんさかと溢れ出てくるだろう。
今までのように命を狙ったものでなく。
ボンゴレの純血ともいえる血統の血を受けついた子を成すがために。
家光もこれを懸念して、綱吉に男としてと念を押したのだろうが、そこにはリボーンも賛成だ。
ただ、家庭教師を依頼した時点で伝えられなかった真実に腹が立たないわけでもない。
古くからの友人への報復は今後考えるとして、今は何よりもこの頼りない生徒を守ることだ。
命と、その身体を守ってやることだ。
「・・・あぁ、守ってやる。ずっと俺の側に居るんだぞ」
「うん」
殆ど無意識で出た言葉に一番驚いたのはリボーン自身だ。
けれど、表情には出さず、綱吉も違和感もなく嬉しそうにしているので、その時はまぁいいかと流したのだが、これが後々まで響くプロポーズになろうとは、二人ともまだ気付いていなかった。






続・・・けばいいな!

⊂謝⊃

女体化はいっぱいあるのにふたなりネタはあんまし見ないな、と思ったので暴走してみた。
男か女か分からないような男の子だけど中身は女の子。
ちらっとは調べましたけど所詮ネタなので本気にしないで下さい。
続くかなー?このリボツナ設定なら色々遊べそうだけど。
ツナが狙われる理由として初代様も同じような体質の生まれになっていただきました。
おじいちゃんかおばあちゃんか分からない初代!(笑)
美人だからいいんだ!!・・あぁ石投げないで下さい!(逃)

斎藤千夏* 2010/07/04 up!