A*H
AH再録本1
AH SAIROKUBON 1
ジャンル:幻水坊主/ゼロ×アーティエ
発刊:2008年8月24日
仕様:B6コピー(表紙カラー)
頁数:140P
価格:¥1,000
多くの要望を頂きありがとうございます!
完売していたAHシリーズ1〜4の再録本です。 残念ながら書き下ろしはありません(笑)
中身に違いもないので、前の持ってる方は必要ないかな?
表紙だけわがまま言って描き下ろして貰いましたv(他力本願)男ばっかの4つ巴です。(笑)
ちなみにタイトルに『1』って付いてますけど、2が出るかどうかはわかりません。(笑)
▼以下おためし
オタメシは既刊一覧からご覧下さーいv(手抜きごめんなさい)
とか言いつつ、前日にふと書いちゃったおまけ書き下ろしをちょっとだけ!
「アーティ、ここか?」
漆黒の髪を汗にしっとりと濡らして、普段より微かにラフな格好をしたゼロは、慌しく人の出入りする食堂に顔を覘かせた。
「あ、ゼロさん!アーティ、ここですよ!今ハイ・ヨーさんのお手伝いしてるのよ」
配膳の手伝いでもしていたのか、ナナミもエプロンをつけた得意気な様子でゼロに席を勧めた。
普段身に着けている赤い長衣は脱ぎ、中の白いシャツとズボンのみで汗を流しつつ現れたゼロは、それはもう格好の目の保養だった。
なんと言っても汗で微かに透ける服から身体のラインが丸見えなのだ。暑いのか、襟元を大きく広げていることも加算されて、元々の色気が更に八割増なのだから。
一気に食堂の視線が集中するが、本人は慣れているのか気にしない様子ではあったが。
「あ、ゼロ!頼まれたの、終わった?」
ナナミとお揃いらしいエプロンを付けたアーティエも、これはまた可愛らしい格好で、そんな姿でゼロに懐く(この二人の『懐く』は、オン・ザ・膝の上で密着度100%な)ものだから、食堂中の感嘆と羨望の溜息が重なる。
今この場で食事を取っていてなんて幸せだったかなんて涙を流して幸福を噛み締めつつ眺めている連中もいる。
「ん、本気で戦争のために志願した兵士なんていないと思っていたから期待はしていなかったんだけど、そうだね。結構良いの揃ってるよ」
「お、そうか。お前のお墨付きが貰えるたぁな。戦争なんざ・・・してる雰囲気ないけどな、まあ、自軍が強くて悪いことはなにもねぇ」
「あの人数を捌くのは大変だったろ?悪いな、こっちの手が空かないからってお前の手まで借りちまって。それよりほら、汗くらい拭け」
そういいつつ、ゼロの隣に腰掛けたのはビクトールとフリックだ。フリックは更に頭の上に青いタオルを落としてもくれた。
「今そこでヨシノさんから貰ったやつだから綺麗なはずだぞ」
「・・・あぁ、いや。ありがとう」
「それよりゼロさん!そんなに身体動かしたなら、お腹空いたでしょー?」
早く注文を待つかのように、うずうずとナナミがメニューを差し出した。
「お前ら手伝いか?アーティはさっきまで厨房に居たよな?」
「まぁ、趣味のお陰でわたしも色々出費が多くてね。たまにはバイトしないと先立つものが足りなくなってくるのよ・・・!」
「・・・おぉ、そうか。で、アーティは?」
「アーティはただ端に、ハイ・ヨーさんからのお願いでお手伝い中なの。今、この食堂一般の人にも人気らしくて、ハイ・ヨーさん一人じゃ流石に手が回らないんだって」
わたしなんて厨房には絶対入れて貰えないっていうのに、なんて呟くナナミの言葉を、フリックは思いっきり聴かなかったことにした。
「お前らも晩飯はまだだろ?一緒に食わねぇか?」
「うん、食べるー!」
「そうねえ、アーティもずっと働きづめだったし、今少し落ち着いてるみたいだし・・・ちょっと休憩しよっか」
そう告げて、二人並んで厨房の方へ向かっていく。
その華奢な後姿を見送って、益々欲しいと思ってしまうのは男の性というものだ。
容姿、器量、それに料理の腕前までいいとくればもうこれ以上の妻の器はいないだろう。
アーティが男の子だという事実は都合よく忘れて、ゼロは気が付けばぼんやりと言葉を吐いていた。
「良いな・・・アーティって料理出来るんだ」
「あぁ、料理人が認める腕ってな。・・・だがな、まぁ、安心は出来ねぇんだなこれが」
「美味しいんだろう?何が・・・まさか、怪我とか」
「いやいや違う。確かに料理は美味い。器用だしな。あんな体格で同じくらいの鍋も片手で振り回すしな。確かに腕は悪くない。悪くないが・・・悪いのは、きっと育った環境だ」
「?」
まるでわからないと表情を浮かべるゼロに、フリックが苦笑気味に告げた。
姉の影響か、そもそも先天的なものかはわからないがな。
「・・・あいつ、何を間違えたか、突然ナナミ並の料理を作る時があるんだ」
「・・・・・・・・・・それが?昔は姉弟で二人仲良く料理してたんだろうし、そんなの別に・・・」
「お前は!!ナナミの料理の腕を知らないからだなっ!」
「まあ落ち着けや。そうだな、今度料理対決の機会があったらお前に審査員譲ってやっからまあ試してみろ」
にやりと、意味ありげに笑われたビクトールの言葉には、どうしてか腰が引けてしまうのだが。
苦笑で返したそのタイミングで、ナナミとアーティエがトレイにたくさんの料理を載せて持ってきた。
「あ、それフリックさんので、こっちがビクトールさんでしょ」
「おおそうだコレだぜコレ」
「で、これがゼロ、ね?」
「ありがとうアーティ」
それぞれ食事を始めて、エプロンを脱いだアーティエは勿論ゼロの隣だ。
嬉しそうにぱくつくアーティは、見ていて本当に幸せになれるほど可愛い。
思わず自分の食事の手が止まってしまうほど見つめていたい可愛らしさなのだ。
「・・・ゼロ、お前見てないで食えよ・・・」
「あ、いやうん。あぁアーティ付いてる、ココ」
「う?」
指で拭ったそれは勿論自分の口へ。
赤い舌でぺろりと舐めた仕草に、いくつかの椅子が倒れて人が落ちる悲鳴が聞こえた。
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なんとも中途半端で申し訳ない。
AHは元々場面の区切りが無いように書いているお話なので、本当に中途半端です(汗)
気になりましたらどうぞ!
手にとってやってみてくださいね!!
気になりましたらどうぞ!
ぜひ手にとってやってみてくださいね!!