A*H
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KARA-ZU

ジャンル:復活/ALL×綱吉(10年後くらい)
発刊:2010年01月10日
仕様:B6コピー
頁数:56P
価格:¥500
ツナ総受けギャグ本です。
一応、右側の方たちは本気でオトしに掛かってますが、ツナは気付きません。・・・気付かないフリしてるだけ?(笑)そんなお話です。
前半戦はみんなでわいわい。後半戦は無駄にゲームブック仕様で、各キャラとのマンツーマン告白タイムです。(笑)
右側に居座るのは、守護者から嵐・雨・太陽・雲・霧、アルコからコロネロともちろんリボーン先生。
誰に愛を注いだか、非情に解りやすいと思います。(笑)
・・・ネタ元は、さりげなく実話だったりします。(笑)
▼以下おためし (文)
それは、どうでもいい日常の、さして普段と代わり映えのない昼下がりに始まった。
「なぁこれやってみようぜ〜?」
忙しい筈なのに今日も今日とて突然遊びに来たディーノさんは、相変わらず書類に追われっぱなしの俺ことドン・ボンゴレ十代目沢田綱吉の眼前にペラリと紙を広げて下さった。
「なんですかコレ?」
いまいち空気の読めない相手に説教かましても理解されないままヘコまれるだけだ。
一度あまりの『構って攻撃』が鬱陶し過ぎて、存在に気付かないフリで無視してみたことがあるが、あれは後始末が大変だった。
ロマーリオさんを筆頭に涙目一杯溜めた目で連射された『お前の所為だろう責任取って何とかしてくれボンゴレ!!』攻撃の的にはもう合いたくない。
なので、幾ら仕事が押してようが、後でリボーンに怒られようが、今この場で構っておくに限る。
と言うことで俺は前の目に差し出された紙を受け取った。
「ええと、これは色ですか」
「色だな」
「これで一身体何するんです?」
「その色から連想出来る人物名を書くんだ!」
元から麗しい兄弟子は期待に満ちた視線をキランキランさせて熱弁して下さる。
そうかー日本じゃわりとポピュラーでもディーノさんイタリア人だし心理テストとか知らなかったのかなぁすげー嬉しそう。
ていうかこの用紙わざわざ作ったのかなロマーリオさん辺りが。
その前に誰がこの人にこんなもの吹き込んだんだ。確立的に九九%はウチの日本組の誰かなんだろうけど・・・色んな意味でキャバッローネに申し訳なくなってきたんだけど、それよりも。
「・・・なんでそんなに一杯あるんですか・・・」
「せっかくだ。こういうのは周りの奴ら全員でやった方が面白そうだからな!」
俺の質問に快く答えながら、またしてもいつの間にやら執務室に集まっていた面々に、ディーノさんは驚いた顔もせずに紙を配っていく。
顔を上げたら人が湧いてて驚いたのは俺だけか。ていうか音もなく集合しないで欲しい。扉は一度も開いてないのに、一体どこに待機してたんだ。
参加者には、俺がサボるととてつもなくイイ笑顔でお仕置きを始める家庭教師様を筆頭に、なんで居んの?と問い詰めたくなる顔も綺麗に揃っていた。
ていうかなんでみんなこうもタイミング良く集まって来るの?やっぱりこの部屋には監視カメラとかあるんだろうか。
「そんな不思議なことでもねーぞ。オレが呼んだんだからな」
「ご丁寧なご説明、ありがとうございます・・・」
疑問が解決したのはいいが、表情で心の中までそうポンポン読むのはカンベンして欲しいのが本音なんだけど。
「お前が判り易すぎんのが問題なんだろーが」
「はい・・・ごもっともです」
そんなのボスとしてはダメダメだってわかってるけどまぁもうそれは今更直るもんでもないし(ちゃんと外では気を付けてるし!)、俺は山積みの書類から目を背けるように机から離れて皆が座るソファーへと移動した。
「あはは!いきなり呼び付けるんだもんな小僧。で、これで何が分かるんだ?」
「それは書いてからのお楽しみだぜ」
にやりと笑ったディーノさんはもう結果を知っているとでも言いたげな表情で、俺にしてくれた簡単な説明をもう一度繰り返した。
「紙に書いてあるそれぞれの色から、連想出来る人物名を書くんだそうだ。んー、本当なら知ってる相手なら誰でもいいんだけどな。それじゃつまらねーからここにいる奴らの中からってことで」
その言葉にタラリと汗を流したのは恐らく俺だけだろう。
だってなんだかものすごく嫌な予感がするんだこれ。ていうか、この手の心理テストって明らかにその相手が好きだとか嫌いだとか、後々一悶着起こしそうな内容のことが多い。
今まで身近にこういうのが好きなハルやら京子ちゃんが居たお陰で、俺にはなんとなくこのテストの意味に気付いてるんだけど、他の面々は至って普通に紙を埋めていく。
普段、こういうもののからかい・冷やかしから逃れる術としては、同性の名前を書いて、『まぁ友達として』、と逃げられるものを、今回ばかりは使えない。
というか、この面子では絶対に逆効果にしかならない。
どうして誰もこの場に男しかいねーじゃんなんて突っ込みしてくれないんだ。そもそも、この面子で突っ込み要因は俺のみだ。一対不特定多数。少な過ぎると思わないかそれ。ていうかどんだけボケが多いんだよボンゴレ。
そんな風に、ぐるぐる考えを廻らせていた俺の後頭部に、カチリと冷たい感触が押し当てられる。
「ツナ。書かねーのか?何なら死ぬ気で書かせるぞ?」
「や、うん、書くよ!書くから降ろそうな、コレ!」
「ちなみに身体裁繕って適当な名前でも書いてみろ。ズドンだからな」
「・・・あの、これってお遊びだよね?」
にやりと背筋が寒くなるような笑みを浮かべて下さった小学生(年齢的には間違っていないはずだ)から逃げるように、そっと山本の隣へ腰をずらす。
リボーンが隣に座っていることには変わりないのだけれども、心持ち今は距離を置いておきたい。
山本に近づいたと同時に、伸びてきた腕に肩を抱かれて顔を覘かれる。昔からの癖だからもうなんとも思わないけど、やっぱり獄寺くんの腰が一瞬浮いた。
「なーツナ、なんて書いた?」
「いや、まだこれから・・・」
「そっか!どういう結果が出るんだろーなぁこれ」
何だか変に期待されてるような気もするが、結果がどうであれこれは一種のお遊びだ。真剣になることもないだろう。・・・知らないうちに命掛かってるらしいけど。
この場に居るのは、リボーンとディーノさんと獄寺くんと山本とお兄さんと遊びに来てたその師匠のコロネロとなんでか雲雀さんとまたなんでか凪っていうか骸がいた。ていうかホントに何してんだ。こんなことで力使うなよ。いつの間にか、自力で水牢から出てきてたのはいいとして、動き回るのは大抵凪の身体でばかりだ。・・・まあ、本体が動けない理由は確かにあるのだけれども。
すると、書き終ったのか視線を上げた骸と目が合う。まだ外見は凪だからにっこり笑って手を振るのは可愛いんだけど中身が骸だと思うと気持悪い。
「えー、そろそろ全員書けたみたいだな。んーじゃ、答え合わせと行きますか」
掛け声に合わせて、全員が回答をディーノに手渡した。
普段協調性というものを何処かに置き忘れてる面子なのに、こういう時だけ息ぴったり!俺泣きそう!
「ルールもう一回確認しとくぞ。同じ人物の名前は書けない。で、思いつかないなら空欄でいい。そして今この場に居る奴。この三点だけだ・・・っぐ!」
「わかってるから早く進めてくれないかな」
「けほっ・・・あのな、落ち着けって恭弥。トンファーは降ろせ、な?結果教えらんねぇぞ?」
「・・・仕方ないね。早くしてよ」
今のは確実に喉仏入ってたと思うんだけどなんでそんなに平然としてるんですか。そもそもコレが日常なのか、なんて思いながらも、この師弟の会話には口を挟まないことにする。
ある意味、俺とリボーンも傍から見たらこんな感じなのかもしれないし。一緒にすると怒るかなぁなんてのんびり考え事をしている暇なんて、実はなかったのに。
実際、この場を丸く収めるために俺がやらなければならなかったことは、どんな目に合っても【このゲームに参加しない】ということだったと、後々ながら気が付いたのだけれど。
「おし、そんじゃま結果だけどな。結論を言えば、色に対して名前を書いた人物をどう思っているのか分かるってことだな。『緑』は友達、『白』は憧れている人、『青』は好きな奴、『茶』は嫌いな奴、『橙』は元気をくれる奴で、『黄』は不可解な人物。ちなみに『紫』は最後まで秘密だ」
「・・・うわ」
もう色々と、遅かったらしい。
ゲームは始まってしまったのだ。
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続きは買ってからのお楽しみv(笑)