A*H

2005年ハロウィン企画

1




世界は過去に遡る。
27の真の紋章が散らばり、世界が創世されてから幾年。大きな力は突如目覚めて、その姿を露にしていく。
今ひとつ、新たな紋章が再び世界に現れた。
『月の紋章』
始祖となるべき宿主を手に入れた紋章は、少しずつながらにその血族を増やし、小さな村を作った。
蒼き月に糧を得る、不老を知らない一族。
文字通り『楽園』のような村の中で、彼らは紋章と共に幾年もの月日を過ごし、生きていた。
だが、村の中で静かに暮らすことを望まない者もいた。
只人より優れた能力を持ちながら、人に隠れて果てしなく長い歳月を過ごす事に耐えられない者もいた。
けれど、大半の仲間達は小さい村ながらも静かな森で生き続けることを選んでいた。
・・・が、その静寂は一人の男によって覆される事になる。
村の糧であり守柱であった月の紋章を盗んだのだ。
糧を奪われた村の者たちは、ここでようやく様々な生き方を選ぶことになる。
飢えと恐怖に怯えながら生き続ける道か。
全てを諦め村に留まり最後を待つだけか。
どちらが幸福だとは言い切れない。どちらも選ぶは破滅への道なのだから。
それでも、微かな希望を願って生き続けることを選んだ者たちは少なからずいた。
余生を引き伸ばす為に村を出、近くに町や村がある森を住居に選び、紋章の恩恵に肖れない飢えを、人を襲い満たしていた。
望まないのに、欲してしまう。生ある者の命を奪う、その行為にさえ何の罪も感じなくなってゆく。
そうして、静かに壊れてゆくのだ。
『楽園』に住むための権利など、彼らには元から無かったのかもしれない。
罪を重ねねば生きて行く事すら叶わない・・・。それが、この身体を選んだ為の枷。
元は人であったのにも関わらず、闇の世界を選んだ為の代価。

咎人――――彼らを人は、吸血鬼と呼ぶ。






†-----+Exorcize+-----†







「きゃあああ!!」
血を好み、色を好み、美を好む。
誰が言い始めたか分からないその言葉は、確かに彼らの嗜好を言い表したものだった。
元々温かなこの街も、夜になれば空気は冷え、昼間の賑やかさは闇に融けて消えてゆく。
灯りのない暗闇で、それの姿は誰にも見えない。
「・・・今のは?」
遥か遠くからの旅の途中で、突然馬は足を止めて放り出され、急な雨に船は流されて、こんな時間に漸く辿り付いてはみたものの、当たり前だが宿など空いている時間ではなかった。
しんと寝静まった街中で漸く見つけた街灯の下で、古い地図を片手に辺りを見回した。
確かに人の気配を求めてはいたが、こんな深夜に半ば諦めていた人の声は、何故か悲鳴で。
それでも、持っていた鞄とコートを放り出して、青年・・・いや、まだ少年としか言えない彼は走り出した。
長旅にくたびれた白シャツを肘まで捲って、襟元のリボンタイは窮屈なのか鎖骨が見える程度まで緩められている。
茶系チェックのベストにズボン。決して貧相ではないが、身形がいいものでもない。
暗い街中で更に闇に融けた路地。壁際にうずくまる女の子の姿を見つけて、足早に駆け寄る。
「どうしたの、大丈夫・・・?」
肩までの金の巻き髪をヘアバンドで止めた少女は、とある一点を見つめたまま恐怖に怯えた顔つきで首を振る。
外傷らしきものは見当たらないが、何かに怯えているのは確かだろう。
けれど、辺りの気配を探っても、少年には何も感じられない。
「もう何もいないよ。大丈夫だから・・・立てる?」
少年のその言葉に、それでも小さく首を振る少女を何とか支えて立ち上がらせて、よろよろと歩く細い身体を明るい街路の方へと誘導した。
明るいと言っても、入り組んだ路地よりは・・・と言う意味で、辺りを包む闇が漆黒なのは変わらない。
先程放り出した荷物の場所まで、少年は少女の身体を支えて歩く。
「何があったの?」
「わ、からないの・・・。私、仕事の帰りで・・・何か、黒い影が月を隠したと思ったら、そのまま、襲われて・・・!」
怯えたように身体を包み込んでいた手を退ければ、街灯でようやく見えた少女の衣服は、肩口を無残にも破られていた。
「ご、ごめん。汚いけどこれで」
細い肩を間近に見てしまって、気まずさに思いっきり顔を逸らした少年は、鞄とその上に引っ掛けてあったコートを手に取って、白い肌を視界から隠した。
その行為に、今度は少女が驚く。
「え?でも、これあなたの・・・寒くないの?」
「いいよ。女の子がそんな姿で歩いてる方が問題だし。家はどこ?送っていくよ」
「・・・・・」
その問いに、女の子は答えない。
流石にちょっと妖しかったかと、薄汚れた自分の風体に苦笑する。
「じゃあ、名前は?どこか、どこでもいいから君のことを知っている人の所まで行こう」
「・・・うそよ。まさか」
「?」
泣きそうだった女の子は突然頬を強張らせて、少年の顔をしかと見つめた。
何か悪い事をしたのかと、微かに後ろに引いた少年の胸に触れて、もっと愕然とする。
「ない、ないわ!嘘よ!女の子と思ってたのに!」
「・・・・そんなショックの受け方されても。・・・・僕の方がショックなんだけど」
確かに、身長もさほど変わらないし、身体つきも細い方ではある。
ぱっと見の見かけはそうかもしれないが、ここまで長く話していて女に間違われたのは初めてだ。
けれど、それで緊張の糸が解れたのか。
暗く濁って泣きそうだった瞳に光が戻り、少女はにっこりと笑った。
「あ、ええと、助けてくれてありがとう。ごめんね、お礼も言わないで。あたし、ニナ」
続きを促すような声に、少年は暫し考えてから、唇を開いた。
「・・・うん、僕はオミ。この町に親戚の家があるって聞いて、訪ねて来たんだ」
「オミ・・・オミか。うん、よろしくね」


†----------+----------†


助けた礼に一泊をお世話になる事になり、オミは少女に連れられて何故か市庁舎に来ていた。
ニナの家に泊まらせて貰うことになるのだとばかり思っていたオミは、少しばかり驚いて少女を振り返る。が、オミの驚いた顔を前に、ニナはくすりと小さく笑って見せた。
「ごめんね、驚かせちゃった?でも、ここがあたしのお家なのよ」
どうやら、ニナはここで働いているらしい。詳しい事は聞かなかったが、他にも住み込みで働いている人々は多く、大家族のように過ごしているという。
「でもさ、いきなり旅人が泊まるような場所じゃ・・・・」
「大丈夫よ。部屋はいっぱい余ってるんだから」
「・・・そういう意味じゃなくてさ」
けれども流石に深夜であるため、今から本来の目的地を探す訳にもいかない。この町の暗闇は、他の町とは比べ物にならないほどに漆黒だ。
窓の外の景色にオミは小さく溜息を零して、仕方なくニナの好意を受け取る事にした。
ベッドとテーブル、そして小さな椅子しかない部屋の中で、オミは荷物を床に投げ出した途端ぱたりとベッドに倒れ込む。
「・・・家族か」
オミにも、家族と呼べる者たちはいた。仲のいい姉もいる。けれど、その全てを振り切って旅に出たのは自分自身だ。
仲が悪い家族ではなかった。けれども、オミに居場所がある家でもなかった。
だからこそ、今ではもう使われていないという屋敷を求めてここまで辿り着いたのだ。
「あのまま家にいたら・・・。だから、ごめんねナナミ」
小さく姉に向かって謝罪を述べつつ、オミは静かに目を閉じる。それでも、聞き取れる音は殆どない。
いつも傍に姉が居たから、こんなに静かな夜にはあまり慣れていなかった。
「・・・疲れた」
それ以上に今は慣れない旅の疲れに身体が重い。
身支度も整えないまま、転がったベッドの上で、オミは何時の間にか小さな寝息を立てていた。
が、突然部屋に響いた大きな音に意識を呼び戻される。
「おはよう!朝食、持って来たよ〜!」
扉を開けられて、オミは暫し硬直する。先程寝入ったばかりだと思ったのだが、よほど疲れていたのか、再び目を開けて見ればあっさりと夜は明けていた。
備え付けのテーブルにトレイを置き、ニナはその正面に座って、ベッドに座ったままのオミを見つめつつ考え込むような顔を見せる。
「・・・おはよう。な、何か変?・・・寝起きだから変な顔でも許してね」
「違うの普通に可愛いよ。あのね、そうじゃなくて・・・。なんだか見覚えあるのよ。オミの顔」
「・・・・可愛くないよ。でも、そう言われても、僕がこの町に来たのは初めてだよ。人違いだと思うけど・・・他人の空似かなぁ?」
「ううん、何だろ。会ったことがあるんじゃないの。『見た』記憶があるの。だから女の子と間違えたのよ。・・・どこでだったかなぁ」
昨夜の今日でこれだ。
彼女は今朝、回診に来た医師に見てもらったとかで、大事は無かったらしい。
それにしても元気な子だなと思いつつ、ふとオミは窓辺に映る城に眼を奪われた。
「・・・ニナ、あれは?」
朝もやにあまりよく見えないが、建物の影だということは分かる。
目を凝らして、木々の間から突き出るような塔が漸く見えた。
「・・・あぁ!!そうよ!あそこよ!」
「え?え・・・?!」
言うが早いかニナはオミを急かして用意を整えさせ、まだ冷える朝霧の中を城へと向かって歩き出していた。


†----------+----------†


「あのお城ね。本当の持ち主はもうここには住んでないんだけど、結構謂れのあるお城なのよ」
「謂れ?何か出る、とかそういうのは・・・」
「違うわよ。オミは『紋章』って知ってる?」
「・・・・・・・うん」
まだこの時代。紋章師が普及していない世の中で、紋章を身に宿して力を得ている者は極端に少なかった。
発見されても使い方が分からない封印球は、不可思議な力の源だとてある意味宝石の様に扱われ、主に鑑賞品としての価値しか持たない。
けれど、それでも中にはその力を身に宿している者もいる。
そういう者達は何からの力で紋章を身に宿し、代々それを家宝の様に受け継いできた。
自然の力の恩恵を得た者達は必ずしも栄え、ある程度以上の階級を手にしているのが普通なのだ。
「あのお城は元々『破魔』の紋章を宿した人たちが住んでいたらしいわ。でも、もう使ってないからって、他の貴族に買われたってお話なの」
「・・・あぁ、そう・・・なんだ」
オミは小さく苦笑する。広い屋敷だとは聞いていたがまさか城だったとは。
それに今はもう一族のものでもないらしい。目的地はあっさりと見つかったが、同時にあっさりと見失った。
こうなると、手袋に隠れた左手が逆に煩わしい。これさえなければと、何度思ったかも分からない。
「・・・あれ?住んでる人がいるのなら、押しかけたりしたら迷惑じゃないかな」
「平気よ!そのお城を買った貴族様は優しい人で、前の持ち主の貴重な品や絵画が残ってるからって、お城を公開して下さってるの」
「でも・・・」
「大丈夫。ご主人様もお昼は忙しいとかで、滅多に戻って来ないそうだから」
だから、遠目から眺めたことがあるだけで、実際会話などした事はないのだとニナは笑う。
折角ここまで来たのだから一先ず行ってみようと言う事で、結局二人は城へと足を進めた。
「ごめん下さーい!市庁舎の者ですけど、中を見せて貰ってもいいですか?」
挨拶もなしに突然城へと入り、扉を閉めた玄関ホールで漸くニナは声をかける。
城の中は暗くは無かったが、それは蝋燭の灯火によるもので、窓は分厚い布に覆われ、日光はどこからも差し込んでいない。
ニナ曰く、美術品が傷むからだそうだが、綺麗に整えられた城内にしては窓も開いていない所為でどこか埃臭かった。
「・・・いらっしゃいませ。ニナ様、ご無沙汰しております」
「こちらこそ。おはようリィナさん。今日は旅の方をお連れしたの!ちょっと中を見せてもらってもいいかしら」
「えぇ、ご自由になさって下さい。ご案内致しましょうか?」
「大丈夫よ。ありがとう」
すっかりと明るい室内でもないので、対応してくれた仕えの顔を見えなかったが、綺麗な黒髪を腰まで流した女性だと言う事はわかった。
どうやらニナはここの常連らしく、旧知の仲のような挨拶を交わした後、オミを振り返って頷いた。
「さ、行きましょ!目指すものは最上階のホールにあるわ」
リィナと呼ばれた女性も、ニナの断りの言葉に小さく礼を返して、その姿を消してしまった。
オミとは挨拶も交わさなかったが、結局通りすがりの旅人への対応などそんなものなのかもしれない。
「・・・でも、なんだろう」
不思議な感じがした。
オミとて、生まれてこの方故郷を出たのは今回の旅が初めてだ。
それなのに、階段を昇るにつれ、城内を歩くにつれ、どこか胸がつまったような気持ちになる。
「・・・懐かしい?・・・何で」
来た事など勿論ない。けれど、徐々に鮮明になっていく感覚の中で、オミは無意識に左手を摩っていた。
同時にニナが足を止める。まだ閉じられている扉なのに、その先にある部屋が脳裏に浮かぶのは何故だろう。
「ここよ!オミのこと、見覚えがあったのはこの部屋にある物のせいなの」
「・・・絵画?大きな・・・壁に掛かってる」
「・・・そうよ。どうしてわかったの?」
多少驚いた声でそう言いながら、ニナは正解とばかりに扉を開ける。そこには、脳裏に浮かんだそのままの部屋が存在していた。
部屋の正面の上部にかけられた肖像画。緩やかなドレスを身に纏った女性が、静かに微笑んでいた。
見覚えのある顔だ。それも、毎日どこかで目にする顔だった。
「・・・・やっぱり僕、だよね・・・」
年齢や性別こそ違うが、一見した限りではほぼそっくりとしか言い様がないほど似ていた。
薄々気が付いてはいたのだが、まさかここまでそっくりとは。
「やっぱり・・・って?」
「ううん、こっちの話。でも・・・そうか」
出てきた家で、オミの居場所がなかった理由はその性別のためだ。
女性に生まれていれば、オミはあの家に最も欲される人生を送っていたに違いない。
だが、どう頑張っても性別だけは直すことなど出来はしない。
家長の、オミにとっては曾お婆様になる人だが、彼から何度聞かされたか分からないほどに聞いた言葉を思い出した。
「・・・・始祖の再来。悲しき獣を守る力の象徴・・・か」
肖像画の女性の手にも、『破魔』の紋章が宿っているようだ。それも当たり前のことで、彼女がオミの一族の始祖だと言うなら尚更だ。
彼女は生まれた時既にその紋章を宿していたと聞く。
それ以来、代々この力を継いで来たのは、一族を治める立場にある女性であるのが慣わしだった。
それなのに、双子の姉ナナミには力は宿らず、紋章が次に選んだ宿主が、何を間違えたか男児であるオミの左手であった。
一族の家宝を身に宿しながら、家を継ぐ権利さえないオミと、紋章さえ宿っていれば後継者となったナナミの立場は、非常に危うい物と化していたのも事実。
だからこそオミは、その混乱から逃れるように、後の事を全てナナミに任せて家を飛び出してきたのだ。
こうするのが最前の策だとは思わなかったが、それ以外に思いつかなかったのだから仕方ない。
残してきたナナミには言い訳することすら出来ないが、確かに自分は逃げたのだ。あのしがらみだらけの家から。
けれども、また戻ってきてしまったような妙な感覚に囚われてしまう。ここには誰も、オミを知る者はいないと言うのに。
「きゃ・・・!」
カタンと、扉が開く音がした。同時に、ニナが小さく声を上げて驚く。
「・・・綺麗な女性だろう?愛しさのあまり、宝物庫で眠っていた彼女をここに起こしてしまった」
「え?」
オミが振り返る前にオミの傍まで歩み寄った誰かは、同じように絵画を見上げて囁いた。
「ようこそ、僕の城へ。・・・歓迎するよ」
目の前に跪かれて、手袋をしたままの右手甲に口付けを落とされる。明らかに女性に対する挨拶だと分かって、オミは慌てて手を引いた。
「わ・・・、じゃない!僕は・・・!」
「・・失礼。愛しい人に良く似ていたもので」
「・・・・・・・・・」
そこで漸くオミも相手の顔を見ることができた。
身につけているのは、丈の短いチャイナスーツ。襟元まできっちりと止めてあるそれは、何故かストイックさを感じさせる。
下肢を包むのは黒いズボンだが、これもまた近くでみれば銀糸の糸で豪華な刺繍が施されている一級品であった。
黒い髪は、ランプや蝋燭の明かりに透けて蒼く光る。向けられた眼差しは、苦笑と期待を乗せた鮮やか過ぎる蒼。
空も水も、彼の瞳の様に澄んだ色はしていないだろう。初めて見るような美しい造形に、オミは暫く声を失った。
「失礼がてら、もう一つ。・・・お名前をお聞きしても?」
「あ、・・・オミ」
「オミ、・・・オミか。いい名前だ」
くすくすと笑われて、そこで漸くオミははっとする。
名を問われ、素直に答えてしまったが、ここでしまったと思ってももう遅い。
ニナなど、普通の相手に知られるのはまだ構わないのだが、明らかに本名を告げていい相手ではなかった。
その見た目の美しさ。この城の風体から言って、彼は『そうだ』とオミの本能全てが答えている。
「自分から名を明渡すとは、無用心にも程があるね」
「・・・・貴方は」
一気に冷たくなったオミの雰囲気に思うところがあったのか。
嬉しそうに笑っていた表情を少しだけ柔らかく変えて、頭を下げた。
その仕草で、オミの中で鳴っていた警鐘が、少しだけ音を小さく変える。
「からかって申し訳ない。・・・僕の名前はセフィリオ。出来るならば君と親しくなりたいと思っている」
「・・・いきなり、そんなことを言われても」
「それもそうだ。なら、君さえよければ、この城に滞在するというのはどうだろう?」
「だから、何で僕を・・・」
助けを求めて視界を探ってみれば、ニナが慌てたように頷いている。
うっすらと顔を赤く染めている様子を見れば、なるほど彼が気になるのだろう。
それ以上に、オミも気になっていた。彼が、というよりはこの城に残るものがオミを引き止めて仕方ない。
オミの手の甲に宿る紋章のことも、継承のことも。ここにいれば何らかの方法が見つかるかもしれないのだから。
「・・・わかりました。では、少しだけ・・・」
「良かった。では、早速部屋を用意させよう。ニナ嬢、貴女の部屋も」
ニナに向かって手を差し伸べて、エスコートするようにオミの少し前を歩く。
彼、セフィリオに誘導されるまま城内を歩きながら、オミは何故か押し潰されそうな不安を感じていた。


†----------+----------†





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